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FileMaker 7の謎を解き明かすドキュメント
「Key Concepts in FileMaker 7」ダウンロード開始!


蜷川 晋
text by Shin Ninagawa

ダウンロード開始!

大変お待たせしました!「近日中」がずいぶん長いゾというご指摘をあちこちからいただきまして、ごもっともです。ほとんどの翻訳作業は昨年終わっていたのですが、個人的な事情もあり、なかなか一般公開できなくて、お待ち頂いていた方々本当にすみませんでした。

 

「Key Concepts in FileMaker 7」日本語版PDFのダウンロード

【参考】英語の原文はこちら

Adobe Readerの
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この間に原文のままお読み頂いた方もいらっしゃるようですし、なんとwww.fmpro.jpさんの方でもご興味を持たれたとのことで、つい先日公開してくださっています。なんだかこのドキュメントの認知度が高まってわが事のように嬉しかったりしています(大きな勘違い…?!)。
さて、すでに皆さんご存知のようにFileMakerはv7となって、これまでにない程まったく斬新に生まれ変わりました。このドキュメントでは、数えきれないほどの新機能の中でも、最もコアな部分にあたる、新しいデータベースエンジンのリレーション構造、FileMaker特有のビューの部分との連携にフォーカスして、その謎を解き明かしています。
実際にv6までのユーザの方々から、v7になってうまく使えないと悩んでいらっしゃる声はよく聞きます。これまで使い慣れてきた道具の勝手が変わり、新しい概念に戸惑い、先に拡がる新しい世界になじめずにさまよっている…。まさにそんな感じです。
マイケル・ハリス氏ご本人も自身の手紙の中でおっしゃっていますが、最初は誰もがみな同じようです。そして間違いなく、私自身も当初まったく同じように体験してきました。たくさんの機能にワクワクし、その美しいリレーションのダイアログでいろいろと試してはみるものの、どうもしっくり来ない感は否めませんでした。その頃は日本語の書籍はまだ無く、U.S.の情報をインターネット上でいろいろと漁っていた様な状況でした。

FileMaker 7にはみんな戸惑いが?

このドキュメントの初版を昨年4月に見つけたときの感想は「やっぱりみんな戸惑っているのか…」でした。文章そのものは、私には一読で理解するには少し難解でした。7月にさらにわかりやすく改訂され、繰り返し読んでいくうちに奥が深いことが解り「コレだ!」とドキドキとしていました。しかも、無料でこんなに貴重なものを公開してくれているなんて…、と感動ものでした。このドキドキを是非日本のFileMaker 7/8の開発に携わる多くの方々にも読んでみていただきたくて、僭越ながら日本語化を思い立ちました。そして、Knockin' on Seven's Doorのメンバーにも賛同してもらい、ご本人にメールでお伺いしたところ、もともと日本に好印象をお持ちの方でとても喜んで快諾してくださったのです。
わずかではありますが、ドキュメントはその後Ver.1.6として改訂されています。
この「Key Concepts in FileMaker 7」は、これまで彼のサイトだけで15,000件ものダウンロードがされています。マイケル・ハリス氏は様々なジャンルにわたる書籍をたくさん書かれていらっしゃるのですが、このドキュメントを書くにあたっても最初は書籍を考えたそうです。ただ書籍の場合は、一般的には参考書のようなものを期待され、そのような書籍は他の方が出すでしょうし、より思考と洞察から導かれる論理的に明確なものがハリス氏の好みです。確実な理解を読者が得られるよう「少ない言葉で組み立てていく」という、彼の得意とする方法で書きたかったのだということです。また実際そのようなものは、FileMakerの関連書籍の中では他に無いのではないかと思います。

Key Concepts in FileMaker 7の内容について

さて、この「Key Concepts in FileMaker 7」の肝心の中身については、読んでいただければ解ることですが、ここで少しだけ触れてみます。「FileMaker 7の本質が、その第一印象と違うと感じる人は多いでしょう。」
冒頭の章ではっきり明言されています。この先は、一旦迷路に入るのですが、とてもわかりやすい彼独自の論調で出口に導いてくれます。このストーリーの中ではその選択肢の豊富さを教えてくれ、「どう作るべきか」を決めるのはあなた自身だと示しています。ただ、先人達が経験してきた失敗を再び繰り返さなくてすむように、その道標となるべきポイントはきっちり押さえてくれています。
このドキュメントがフォーカスしているメインはリレーションです。中に次のような、聞きなれないキーワードがいくつか出てきます。
 テーブルオカレンス(TO)
 テーブルオカレンスグループ(TOG)
 コンテキスト
 :
最初は初めての言葉ばかりで戸惑いますが、これらはFileMaker 7/8の概念を理解するにはぴったりだと思います。実は「テーブルオカレンス」は、FileMaker 7英語版ではこの呼び方なのですが、日本語版では「テーブルの別の名前」と表現されているものにあたります。従って、日本語圏の我々には馴染みがないと言うことになります。日本語版の「テーブルの別の名前」という訳語そのものが少し違う意味を想像させますのでもう少し「オカレンス=存在/発生/出来事」といった意味合いを表せる直感的な日本語がないものかと当初悩みました。しかし、現在では「テーブルオカレンス(TO)」はそのまま日本語でも用語として受け入れた方が解りやすいのではないかと考え、略して「TO」、また「テーブルオカレンスグループ」も略して「TOG」と、通常私はそのままを使っています。
「リレーション」は今や特定の「なにか」ではなく、単なる環境の一部として説明してくれています。この考え方にピンとくる人は、彼の考え方とシンクロする部分があり、そうでもない方は「なんだか話をややこしくしているなぁ…」となるかもしれません。私の場合は、彼の明確な解説を読むにつれ、その意味の重要性をとてもよく理解できました。またこの中に出てくる例では、結果的にセキュリティに繋がる場面をうまく示してくれ、現在の双方向リレーションの適切な使い方のアイデアに結びつけてくれています。

このドキュメントの活用法+余談

FileMaker 7/8をすでに使っているが何かしっくり来ない方は、まず一読してみてください。そして本文にも記述がありますが、何度も読んでボロボロになっていくうちに自分なりのイメージができ上がってくると思います。FileMaker7が以前のように、いやさらに楽しくなると私は思います。が、実際は米国でもそうであったように意見は様々だと思います。できれば賛否両論を含め、皆さんの声をメールで頂ければ我々もとても嬉しいです。必ずご本人にもお伝えしたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。shin@sevensdoor.com
なお、日本語版作成にあたり我々なりに最善の努力をしましたが、何かお気付きの点がありましたら、ぜひご指摘ください。例となっている解説・画像等はできるだけ、原版に近い形で日本語化するように心がけました。また、文中には引用が多く使用されていますが、それぞれご本人の思い入れがとても入っているため、参考にしていただけそうなコメントを訳註として載せてあります。

ハリス氏からこの「Key Concepts in FileMaker 7」を読まれる日本人のみなさんに宛て、日本語版のPDFを配布する双方に共通のメッセージをいただいていますので、以下に翻訳し掲載致します。

日本の読者のみなさんへ
FileMaker Pro 7が昨年の2004年4月にリリースされた時、私はその2年前に遡ってこの新しいソフトのプレビューに携わっていた多くの開発者のうちの一人でした。中には20年もFileMakerを使い慣れてきた人もいましたが、我々は皆その驚くほどの変化に唖然としていました。私の知る開発者は皆新しいFileMakerを理解するのに苦労し、出発点や思い違いなどの多くの失敗を重ね、6ヶ月以内でその違いを吸収できた人は一人もいませんでした。
私は、FileMaker 7のリリースの時期に合わせて用意されるユーザの理解を助けるドキュメントなどを、名前は公開しない形で編集に携わったりして、いくつか見てきました。それらの書籍やトレーニングのマニュアルはすばらしく、広範囲に渡るものでしたがなにか足りないものがあると思っていました。FileMaker 7と前バージョンとの構造的な違いについて、誰も明確な説明を書いていなかったのです。私は「トップダウン」方式、つまり複雑な題材を元にまず解説し、その後に詳細について自分なりの解説をすることがベストだと思います。これまで見てきたFileMaker 7の文書は「ボトムアップ」方式になっていて、詳細についてはたくさん記述があっても、主要な構造の変化のより大きな傾向については述べられていないように思えました。
そして、私は自分自身への手紙のような感じで「キー・コンセプト」を書きました。それは、できればこのまったく新しいソフトで作業し始める前に、自分が読みたかったものとなりました。
「キーコンセプト」は数ヶ月間読者の手元にあり、みんなすぐにこれを通過して行っただろうと思われます。一方、いまも「キーコンセプト」はわれわれのDIGFM.orgのウェブサイトからだけでも月に1000以上のダウンロードが続けられています。読者からは、彼らは仲間や顧客に手渡していてるので何度も2次配布されていると聞きました。昨年のデベロッパ・カンファレンスで会った人々はみなこれを読んでいたようでした。
「キー・コンセプト」を気に入らない人もたくさんいます。FileMaker Inc.はウェブサイトにはリンクしませんでした。批判的な理由は「謎めいている」とか「難解すぎる」などです。多くの人はこれを読んで、明らかにFileMaker 7/8を理解するのについて行けないと感じていました。熱烈な賛辞と熱意を持ってくれた読者はわずかです。「キー・コンセプト」が人によっては最適で、人によってはそうではないことは明らかです。
「キー・コンセプト」が、日本の読者のみなさんのお役に立てればと願っています。私はずっと長い間日本人と日本の文化について憧れています。「キー・コンセプト」は西の諸国の人よりも、日本人のFileMakerユーザの皆さんに向いているかもしれません。日本の読者のみなさんの声を心待ちにしています。特に批判や提案があれば、「キー・コンセプト」改善に生かしたいと思いますので、ぜひ私までご連絡ください。みなさんのご要望がある限り、改訂し続けていきます。また、デベロッパ・カンファレンスに参加されたり、サンフランシスコにいらっしゃることがあれば、声をかけてください。ぜひ、日本の開発者のみなさんとFileMakerや日本のことについてお話したいと思います。
最後に一言。読者はよく次の点について感謝してくださっています「FileMaker 7はつかみどころがなく、実務の中でどう使うのがベストかを誰もまだ知らない」と。上級者や才能豊かで経験豊富なFileMakerの開発者でさえも、誰もがFileMaker 7/8とつらい時を過ごしてきています。
私たちは、みな再び初心者なのです。

敬具
マイケル・ハリス
Cerne Systems. Inc.
Chair, DIGFM
michaelharris@mac.com

DIGFM:
http://www.digfm.org/


実は最後の引用文で、何度も日本語の表現の仕方で悩み続けた部分がありました。
「わが命つきるとも」の主人公サー・トマス・モアの台詞の引用の部分なのですが、どう表現すればこのKey Conceptsの場面にぴったり来るかを頭の中では何度も考えていました。そして最後に決めた解釈をご本人に思い切って確認してみたところ、「とてもいい解釈だ。今後あちこちで、この日本語の解釈を使わせてもらうよ」とまで言って下さったことが、とても嬉しかったのです。
さらに彼とのメールのやりとりの中では、とても興味深い話がいくつかありました。これらについては、いずれ改めて書いてみたいと思っています。
ただ、中で嬉しい話がありましたので先にお伝えしておきます。実は、このドキュメントの続編が考えられているとのことです。彼の話によると、この「Key Concepts in FileMaker 7」も含めて、4重奏(カルテット)となるような構成になる予定で、次回は「コンテキスト」についての話だそうです。今からとても楽しみですし、それら日本語版のカルテットについても、我々もできるだけ同時期に実現していきたいと考えています。最後に、日本語版作成にあたり快諾して協力してくださったマイケル・ハリス氏、本当にありがとうございました。彼との会話は、私にとってはとても楽しい作業となりました。
また、いつも必死に時間を割いてくれるKnockin' on Seven's Doorのメンバーのみなさんはもとより、影でご協力頂いた方々、多くの方々からの叱咤、激励にとても感謝します。

(つづく)

 

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